バートン・マルキール 井手正介[訳] 日経経済新聞社
半分読んでみた。おもしろい。最初のあたりは砂上の楼閣理論を説明するために、バブルの歴史が書いてある。そこではバブル期に登場したいろいろな詐欺師がエピソードとして紹介される。これだけでも面白いけど、砂上の楼閣理論を「より馬鹿理論」と呼んだところが最高に面白かった。多くの人が、自分よりもより馬鹿なものが売り上げも利益も出していない会社の株を買ってくれると当てにして、飛びつくようにをその株を買うことで、砂上の楼閣が出来上がる。
 株が上がるということは誰かがまだ上がると思って買うから上がり、もうここまでだと思って誰かが売りを出すから下がる。うっすらとイメージしながらも、強く意識してはいなかった。
 砂上の楼閣からうまく抜け出すには、みんなが逃げ出したのに合わせて逃げても遅い。みんなが逃げ出したときには、買い手が全くいなくなっているから、売りたくても売れない。だから、テクニカル分析は、人より速く、相場の変化をとらえようとする。ファンタメンタル投資は「株価は投資家がその株式を保有することによって、将来現金で受け取ることが期待できるすべての利益の現在価値の合計であると主張する。将来受け取ることのできる金額は割り引くことが必要があるため、すぐに手にすることができる金額とは区別して考えなければならない。」どっちも、不確かな将来予測がベースになっているように思える。ファンタメンタル投資の仕方だとめちゃくちゃ時間がかかり、短期間に手っ取り早く儲けようとする投機的な投資の誘惑に死ぬまで勝てないと、結局、負ける可能性がでる(にわかテクニカルでは、圧倒的に不利というのもあるだろう)。
 何度も何度も繰り返し起こるバブルを見ると、砂上の楼閣からは避けられない気もする。

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